

1.設立30周年にあたって | |||||||||||||||||
![]() 一般財団法人水源地環境センター 理事長 |
|||||||||||||||||
一般財団法人水源地環境センターは、昭和62年12月1日に財団法人として設立され、平成29年12月に30周年を迎えました。この間、国土交通省、水資源機構、都道府県、大学、研究機関及び民間諸団体の関係各位に格別のご指導、ご支援を賜りましたことに厚く御礼申し上げます。この30年の間、我が国の社会経済情勢は大きく変化しました。平成3年にバブルが崩壊して、その後の日本経済は長期にわたり低迷することになりました。税収の落ち込みから国の財政事情が悪化し、政府の公共投資も平成8年をピークに年々縮小され、現在では当時の半分以下になってしまいました。大規模プロジェクトであるダム事業は、財政支出抑制の対象となり、平成22年に始まったダム事業の検証により大きく停滞を余儀なくされました。この時期は、日本にとってまさに失われた20年と言われています。近年では、八ッ場ダムの本体工事着手に見られるように、検証作業も進んでダム事業も少しずつ進捗しつつあります。しかしながら、予算の状況は今も厳しく、ダムや水源地の環境に関する調査研究業務を主な収益事業とする当センターにおいても、引き続き効率的な運営に努める必要があると考えています。 ダム水源地に関する課題も、社会情勢や国民意識の変化に伴い大きく変わってきました。設立当初の調査研究は、ダム貯水池の水質保全対策及び堆砂対策、貯水池周辺環境整備並びに水源地域振興対策が主たるテーマでした。その後、生態系など自然環境面への社会的要請から、環境アセスメントさらには外来魚対策や魚道などの生態系保全対策の調査研究も行うようになりました。また、近年では、気候変動により計画規模を超える洪水が発生して全国各地で大きな災害が頻発しています。このようなことから既設ダムを洪水調節のためにより有効に活用する方策の検討がダム管理の喫緊の課題となっています。今後は、いわゆる「ダム再生」が重要な課題になってくるものと考えており、それを具体化するための調査研究として、ダム再編計画、効率的な貯水池運用方策、貯水池の長寿命化を念頭においた堆砂対策等について積極的に取り組んでまいりたいと考えています。 今後とも、水源地域の活性化と安全で豊かな国民生活に寄与するため、ダムや水源地の環境に関する調査研究等を積極的に推進していく所存ですので、関係各位の尚一層のご指導ご鞭撻をお願い申し上げます。 |
|||||||||||||||||
2.30周年記念行事 | |||||||||||||||||
(1)第18回技術研究発表会 設立30周年記念レセプションに先立ち、千代田放送会館(東京・千代田区紀尾井町)において、第18回技術研究発表会を開催しました。設立30周年を記念し、国土交通省 水管理・国土保全局 小平 卓 治水課長、跡見学園女子大学 観光コミュニティ学部 観光デザイン学科 篠原 靖 准教授に、特別講演をいただきました。約210名の皆様の参加のもと、有意義な研究発表会とすることが出来ました。ご講演をいただきました講師のお二人に、心より感謝を申し上げます。 |
|||||||||||||||||
第18回技術研究発表会 プログラム | |||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||
(2)設立30周年記念レセプション 平成29年12月1日、ホテルルポール麹町(東京・千代田区平河町)において、約230名の出席のもと設立30周年記念レセプションを開催しました。
|
|||||||||||||||||
3.30年史発刊 | |||||||||||||||||
設立30周年を迎えたことを機に、設立の経緯、組織の変遷、各種研究内容及びそれらの成果等を取りまとめて記録に残すとともに、今後の業務に活用するために「WEC30年史」を発刊することにしました。関係各位の参考に少しでもなれば幸いに存じます。取りまとめにあたり、ご協力とご尽力をいただいた皆さまに心から感謝を申し上げます。 |
|||||||||||||||||
![]() |
|||||||||||||||||
|
|||||||||||||||||